三日座禅

まさか自分がアイドルにはまる日が来るだなんて、思ってもみなかったんです。Twitter @papapakuchi_

秋田分校に行ってきた話

2017年11月11日(土)、「私立恵比寿中学秋田分校〜学芸会は3杯目が一番美味い〜」に行ってきました。
動機は「11月11日に生徒会長・小林歌穂さんの「その空〜」(感情電車)を秋田で聞きたい」という至極単純なもの…去年までの秋田分校が最高だったというレポートを幾つも見ていたり個人的に秋田という場所に親近感があったり数ヶ月ぶりの学芸会ということも手伝って、開催決定発表時からわくわくでした。
参戦を心に決めた時は微塵もこんなことになるとは思っていなかったけれど、以降の秋ツアーやフリーライブ、年始の大学芸会に現地参戦出来ない身としては現体制(7人)のエビ中のパフォーマンスを見る最後のチャンスになってしまった。
廣田さんが「たまこちゃんとコックボー」で繋いだ秋田との縁を小林さんが引き継ぐというのが、なかなかに美しい話で好きです。

 

11月11日、暴風。
搭乗する飛行機が条件付きの運行になるなど前日からハラハラ。何とか無事飛んだけれどこんなストームライダーみたいな飛行機はもう嫌だ。
秋田空港からリムジンバスで秋田駅西口に直行。
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これが噂の垂れ幕か!


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これが噂ののぼりか!風で見えない!

 

11時から開始した物販は並んでも並んでも前に進まなかったらしいんだけど、ぬいぐるみの顔が一点一点微妙に違うため長考に走るお客さんが多かったからしい。たしかに可愛い。

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地元企業「たけや製パン」とのコラボ商品・平凡人パン。今年は「朝のザクチョコ」「午後の抹茶ホイップ」「晩餐ビーフシチュー&ソーセージ」の3種類。美味しくいただきました。(抹茶ホイップ推しです)
去年は速攻で売り切れたらしく、今年は4倍作った?らしい。確かに開演前でもまだ売ってた。

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お昼ご飯は秋田駅前の西武で佐藤養助の稲庭うどん小林歌穂さんおすすめらしい納豆かけうどん(つぶ)を注文。

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小林さん・安本さんのサインがありました。

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 開演までは秋田県立美術館で「レオナール・フジタとモデルたち」観覧。
秋田分校の翌日はこの美術館のすぐ近く「にぎわい広場」で秋田分校文化祭。安藤忠雄もまさかお膝元が現場になるとは思ってなかったろう。
衣装展や美術部を見る時間が取れなくて残念。

16時から学芸会スタート。

1.きっとインフィニティー!
ローカルヒーロー超神ネイガー」のショーからのインフィニティー。決めポーズ(静止)の振り付けが可愛い。

2.HOT UP!!!
→現場で聞くの初めて。なまはげ郷神楽さんの和太鼓とのコラボレーション。ブチ上がり。寡聞にして存じ上げてない団体さんだったけれど、めっちゃ精力的に活動なさっている方々でした。

3.制服”報連相”ファンク

4.Go! Go! Here We Go! ロック・リー
→衣装展でロック・リー出てたから来たら嬉しいと思いきや。真山さんの煽り大好き。
写真集発売という夢を叶えた中山莉子さんの「自分を信じないやつなんかに努力する価値などない」。重みが違う。

5.シンガロン・シンガソン
→髪を振り乱して踊る廣田さん。本当に楽しそうだった。
作曲作詞編曲を手がけたMrs.GREEN APPLE大森元貴氏いわくこの曲を作った後に廣田さんの転校を知ったらしいんだけど、そうは思えないくらい奇跡の応援歌。

bngu.hatenablog.jp↑「シンガロン・シンガソン」初見の所見です。

6.サドンデス(私立恵比寿中学+pramo)
→宣伝をしながら早々と脱落していくゲストのローカルアイドルpramoさん…。

tter.com/abs_event/status/929499225527693312

https://twitter.com/abs_event/status/9294992255276

https:https://twitter.com/abs_event/status/929499225527693312はてなブログ 十字マーク//twitter.com/abs_event/status/929499225527693312

ああhttps://twitter.com/abs_event/status/92949922552769332https://twitter.com/abs_event/status/9294992255276937.祭りだぜぃ!!(pramo+小林歌穂
→pramoさんの持ち曲。秋ツアーもあったことだし、練習したり合わせたりする時間はあまり無かったことが拝察されるものの、バッチリ煽りまできめる小林さん。

8.YELL(私立恵比寿中学+pramo)

9.春の嵐
→回数重ねているからというのもあるかもしれないけれど、春ツアーで見た時よりも洗練されている印象。オーソドックスセーラー服が映える映える。安本さんと小林さんのペアのダンス正直どきどきして堪らなかった(元百合姫読者)

10.藍色のMonday

11.ハイタテキ!

12.大漁恵比寿節(私立恵比寿中学+ドンパン娘)
→事後アンケート第一位。この曲が出た時はどんな場面にハマる曲になるんだろうと思っていたけれどこんなにハマる場が出てくるとは。もう秋田分校の曲だなー。廣田さんの口上ももう聞けなくなるのかと思うとかなり寂しい。ドンパン娘さんたちの踊りがすごくマッチしてた。h

https://twitter.com/tamariba10/status/930767315628539904

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https://twitter.com/tamariba10/status/930767315628539913.紅の詩(私立恵比寿中学+藤原美幸)
→民謡歌手の藤原さんはハート柄のお着物で登場。パワーとパワーのぶつかり合いみたいな頂上決戦みたいななんかもうすごいことに。

14.日進月歩

15.アンコールの恋

16.まっすぐ
→柏木さんの涙を見てしまった。その横で今日いちかよってくらい小林さんがニコニコしてたのも気になる。

17.感情電車(私立恵比寿中学+名桜高等学校吹奏楽部)
→これが聴きたかったんだ…泣
演奏は名門の名桜高等学校吹奏楽部。あの大人数での演奏+歌唱なのに、指揮者の姿が見当たらなかった。すごい。
まさかこの公演のためにアレンジしたの…?とも思ったけれどそういえば感情電車マーチングver.があったなぁ

18.MISSION SURVIVOR(全員集合)
→これまでのゲストがステージ+通路に全員出てきてタオルぶんぶん。
ぁぃぁぃの「咲かせて\ぁぃぁぃ!/愛の花」を聞くのはもう最後かと思うとしみじみしてしまうけれど、そんな感傷もブッ飛ばす熱量。
小林さんの「踊れー!」のロングトーンが長い。かなり伸びる。小林さんが『エビクラシー』あたりで自分の歌い方を見つけたというのは聴いている側としても実感があったのだけど、「感情電車」的な柔らかい歌い方だけじゃなくてドンチャン騒ぐ曲でもバッチリ決められる歌い方まで身についたというか、発声とか根本レベルで自分らしい歌い方を見つけたんだなぁ。「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」冒頭の廣田さんのシャウトを引き継ぐのは小林さんかしら…と想像してしまう。
目の前の通路に出てきたドンパン娘さんが「とんでもない所に来てしまった…」みたいな顔をしていたり、ショッカー?とタオルでバシバシし合ったり、美幸さん御一行の袴着たいおじいちゃまがステージでちょんちょんとタオルを振っていたり、なんかもう大変なことになっていた。
締めにふさわしい大円団。お祭り大国・東北で、大人数で、お祭り騒ぎの曲をやるということの意義を感じてじーんとなる。(考えすぎ)

 アンコール
19.CHAN-CHARA-CHAN
→案外いろんなところでやってるからか、最初は??って思ってたけれど楽しくなってきた。なんとなく星名さんの声が映える気がする。

20.なないろ
→松野さんも秋田に一緒に来たんだな!って気持ちになってほっこり。

21.スーパーヒーロー
→今ここがスタートライン。この公演終わったら色々頑張らなきゃいけないことが待ってるなぁと思っていた自分にとって最高の応援歌でした。

MCは秋田弁マシマシな以外はいつも通りのゆるいトーク
小林さん、平凡人パンの話が出たとき「おすすめは?」と他のメンバーから振られて「一つを選んだら他の二つが悪いみたい!あ、でもこだわりはね…」(要旨)と答えていて、こういうところが小林さんの好きなところ…

 全編通じて。

「きっとインフィニティー!」がレアな曲、あとは比較的最近の曲(9人時代の曲は「Go! Go! Here We Go! ロック・リー」のみ)で、あまり古参歓喜〜みたいなセトリではなく、最近エビ中知った人でも楽しめる曲中心なのかなという印象。

公演後にABSのツイッターで秋田分校に登校した秋田の高校生へのアンケートがあったことからも、県外から登校するファミリーだけじゃなくて、地元だから登校した比較的ライトなファンへのウケも秋田分校の重要な要素だったのかな。

もちろん垂幕やのぼりなんかで歓迎ムードが滲み出ていたり、入場時にどこから来た・何泊した・どこへ行った・いくら使った…など答えるアンケートが配られたりと(去年もあったみたいですが)、県外から登校するファミリーの満足度ももちろん気になるところだったと思わしき。だからこそ、みんなが分かる曲を秋田でしか出来ない演出で魅せることに集中したセトリだったのかなという推測。

仮契約のシンデレラ」「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」あたりのお馴染みブチ上がり曲がセトリに無くともブチ上がれるというのはもう言い尽くされているだろうけれど、今回も実感。

ゲストと絡む演出が1/3近くを占めるというエビ中にとって珍しい機会でもある秋田分校。ただしこのゲストが嫌味のない繋がりというか、純粋な温かいご縁で繋がっているんだろうなぁと感じられる方々ばかりで、これからも何かまたあるんじゃないかなぁと期待が膨らみます。

詳しいことはよく存じ上げていないけれど大洗だってガルパンで盛り上がっているし(しかも長期的に)、ある程度の規模・集客力があるコンテンツが地方で息長く展開していく事例はこれから増えるかもしれない。良いことじゃん。
春はツアー、夏はファミえん、秋はツアー+秋田分校、冬は大学芸会。どれも恒例行事感が出てきてますます中学生。これからも色んなことが起きるだろうけれど、変わらないエビ中の要素の1つとして、長く続いてほしいです。また来年も行きたいなー。

 

 

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夜は居酒屋、その名も「えびす」にて日本酒に比内地鶏いぶりがっこ、きりたんぽをたすたす。ごちそうさまでした。

 

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翌日は内地上陸記念にタワーレコードカフェへ。女性客が多くてびっくりだしギャル系のお姉さんなんかもいらっしゃってビビり倒しながらカレーとラテをいただきました。

 

年内の現場全部終わってしまった……

エビ中ちゃんの現体制も残りあと僅か。来年はくっつきブンブンが成人、カホリコがLJK。来年もエビ年。forever aiaiのライブビューイング決定嬉しいです。ブラックタイガーからの年賀状を楽しみに頑張ります🖋

 

「シンガロン・シンガソン」と、廣田あいかさんの転校に寄せて

私立恵比寿中学の11thシングル「シンガロン・シンガソン」のMVが11/2に公開されました。

秋ツアーに参戦できていない自分にとって、公式動画で少し聞いていたものの、フル尺で聴くのはこのMV公開が初めてです。

Mrs.GREEN APPLE大森元貴氏が作詞作曲編曲を手がけた曲。

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2018年1月に転校を控えている廣田あいかさんが好きなバンドと公言しているので、「廣田さんに送る曲」と明言されていなくとも最高のプレゼントだなぁというのが第一印象。泣

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MVの衣装は、ジャケ写が清楚!お上品!な制服風衣装だったのを裏切るような、ポップな原宿なKERA!ッコな衣装。全員黄緑(青緑?)のウィッグ、緑系の服と色遣いをぁぃぁぃのイメージカラーである黄緑に寄せている。
何回も転ぶエビ中ちゃんが撒き散らすのはカラフルなおもちゃ、お菓子、ぬいぐるみ…これもぁぃぁぃワールドに寄せていることは申す間でもないです。

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映像が切り変わるスレスレのタイミングで、ぎゅって目をつぶる笑顔をしてみたり舌をぺろっと出してみたり。
ほんの一瞬なのに脳裏に焼きつかせる表情を作るのは、廣田さんの才能の一つというかもはや匠の技。

 

サビで何度も歌われる「ギャンギャンギャン泣いてもいいんです」「ギャンギャンギャンと泣くことも大事です」
2011年4月の「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事〜眩しさの中に君がいた」の挨拶ではしゃくりあげて泣いていた廣田さんだけど、合同出発式(2014年春)で真山さん廣田さんにはステージで泣かないようにという指示があったり、ステージで泣くのは廣田さんが思い描くアイドル像ではないということも語っていたり(出典失念しました)。とにかく涙を流さない。「涙は似合わない」を地で行くアイドル。
今年のエビ中松野莉奈さんの逝去という悔しくて悲しい出来事から始まったけれど、この時のエビ中ちゃんは人前で大声上げて泣くことは無かった。

クイック・ジャパン131

クイック・ジャパン131

 

これを受けてQJ vol.131のソロインタビューにて廣田さんは「メンバーに会うとそれを忘れられるっていうか、アイドルとしての私たちになれるんで。…そうなっちゃったほうが楽だから。考えたくないから。…そこはある意味強い部分でもあるけど、言っちゃえば気持ちを押し殺してるわけで、…」と語っている。

絶望的に悲しい時でさえアイドルとして笑顔になれてしまうこと、涙を封印できてしまうことの哀しさ。「涙」に敏感だった廣田さんだからこその感想。

NEWS ZEROエビ中密着(8/24放送)で廣田あいかさんが溢れる涙もそのままに今後の決意を語っていたのを見て、ファンとしてはなんだか安心してしまった。「アイドル=涙を見せない」という己の理想にかなりストイックな廣田さんにとってあの映像が地上波で流れるということはどういう気持ちだったんだろうとも思うけれど、あれはもう吹っ切れた廣田さんだったのかもしれない。

ともかく廣田さんを語る上では「涙」がキーワードになると思っているので、アイドルを辞めて「廣田あいか」になる廣田さんを送り出すのに際して、泣くことを肯定するこの歌詞はぴったりだと思います。

 

個人的に、廣田さんの転校は明るく送り出してあげたいという思いが強かったから、ラストシングルが優しく強く背中を押すような曲で嬉しい。「僕らのFIGHT SONG」、つまり新生エビ中の看板を背負っていくことになった6人の応援歌でもあるから、廣田さん転校後も変わらず歌っていってほしい。

 

秋田のセトリと日本酒のことを考えながら君に会える週末を思ってやり過ごします。

『エビクラシー』全曲レビュー(4)藍色のMonday/春の嵐/フォーエバー中坊

(忘れてた訳じゃないよ書き溜めて(いる間に他のいろんな人のレビューやブログ読んでたら書きたいことが分からなくなってい)ただけだよ!
久しぶりの登校(秋田分校)を控えているのでワクワクしています。いぶりがっこ食べるぞー)


10「藍色のMonday」

出席番号7番、星名美怜さんのフューチャー曲。美怜ちゃんというお名前、「美」は言わずもがな、「怜」は「かしこい」って意味だから本当にピッタリだとつくづく思うしこれからも何回でも言うよ「玲」だと「たま」だよ。
ふわふわ可愛い且つ気怠げ。やらなきゃやらなきゃ、って思ってボンヤリしているのも大切な時間。踏ん張るだけじゃなくてたまには足踏みするのも良いよね。

 

星名美怜1st写真集「MIREITOPIA」

星名美怜1st写真集「MIREITOPIA」

 

 校長はアンニュイで気怠げな星名さん推しとのこと、去年までポップで健康的な星名さん推しだったのに……でもすごく分かる。きゃんきゃんしてる子のちょっとした憂鬱って見てみたいし、星名さんには彼女の背景を知りたいって思える何かがある。
振りがうろ覚えなんだけどサビは案外陽気な感じで可愛い。


11「春の嵐

出席番号3番、真山りかさんのフューチャー曲。最年長がびしっとキメてくれました👏って感じのエモい曲。ノーベル楽曲賞。真山さんの声質と世界に合ってる。

オサカナさん、楽しそう。
「藍色のMonday」と同じ振付師さんらしい。疾走する振り付け初めて見た。「靴紐とファンファーレ」も楽しみだな〜

Aメロの「何でもできる気になって」はネガティブな文脈なのに、サビでは「何でもできる気になってもう一度大声で歌え」になる前向きさが好き。大人っぽい曲で歌われる「大人になってしまう前に」が重たい。の割にはこの曲の直後で「何歳からが大人とかまぁどうでも良いじゃん」。この何でもオッケー感が私立恵比寿中学

「靴紐とファンファーレ」といえば「スターダストライト」のfu_mouさんが作詞作曲編曲。楽しみ。

エビ中と全然接点ないところで出会って好きで聴いてた曲がfu_mouさんだったときの感動。


12「フォーエバー中坊」

変わってくエビ中、変わらないエビ中を全肯定する。この曲で締まるから『エビクラシー』はエビ中ちゃんのアルバムだなって思える。「青春は今この瞬間」だし「青春はとわに続くもの」。

他メンバーとの差に悩んだり引っ込み思案なのにMCを任されたりと山を越えてきた安本さんの「エビ中やっててほんとに良かったなあ」、
団体行動が苦手で何回も転校を考えたし、飛び道具的な自分の扱いにも悩んだ廣田さんの「エビ中やっててほんとに良かったなあ」、どちらも重みが。
「人見知り」を「なんじゃらほい」して「大家族」になるのは、の「あんな坂こんな坂」を「ケンケンパでるんるんるん」(参枚目のタフガキ)に通じる。泥臭く苦労話をするんじゃなくて、ひょいひょいと語るのがエビ中ちゃんらしいよ。時々涙を隠してることも知ってるけれど。
「テストも宿題もあるんだよずっと」。2月8日から暫くはエビ中の解散まで覚悟していた自分にとってこんなに嬉しいことはない。これからも辛いこと、乗り越えなきゃいけないことが山ほどあるけれど(直近では廣田さんの転校もあるし)、それでもエビ中という物語を読ませてくれることを約束してくれたこの歌詞が嬉しい。

 


おわり!最後に、2017年の春ツアー千秋楽が映像化されることについて。

 

EVERYTHING POINT 5 [Blu-ray]

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毎年恒例のドキュメントシリーズ「EVERYTHING POINT 5」は公演本編よりもその前後の喜怒哀楽(と食事)を収めたものだけど、今回は奇しくも7月16日に迎えた千秋楽公演もまるっと収録するとのこと。

意義深い公演がカタチに残ることは悲願だし、エビクラシー好きとしても、エビクラシー全曲の振り付き映像を手元に置いておけることはとてもありがたい。一つのアルバム全曲が一つの映像作品に残ってるパターンって初めてでは。ありがとう。

『エビクラシー』全曲レビュー(3)さよならばいばいまたあした/なないろ/君のままで

(年明けの大学芸会のFC当落ありましたね。どちらの公演もエビ中史に残ると思います。行ける方はどうか楽しんで)

 

続きです。

 

06「さよならばいばいまたあした」

オシャレシティポップ。Yogee New Wavesさんのことはこの曲まで寡聞にして存じ上げず、むしろちゃんと認識したのは大森靖子さんとバタバチしてたらしいとき。この曲も確かに音楽は魔法だよ的な言葉遣いの歌詞ではある。
「私たちの未来はきっと明るくて素晴らしい」の説得力。柏木さんがおっしゃるなら間違いない。
そして「お買い物をするよりもっとあなたと寄り道したい」って言っちゃう中学生めっちゃ可愛くない?小学生の時には許されなかったであろう放課後の買い物なんかより、あなたと寄り道したい…泣
友達に「またあした」って言える期間って大抵のひとの場合は学生の時しかない。大人になったら毎日なんて会えない。永遠に中学生だからずっと「またあした」でいいはずなんだけれども、それが叶わなくなることもあると知ってしまった。「またあした」の得難さ。

 

07「なないろ」

タイトル書いて気づいたけど収録順7曲目なんだな。


ころころ色が変わる衣装かわいい。
7人になったエビ中ちゃんの思いにファミリーの思いも乗せて、ふんわり包んでぱっと見切ない恋愛ソング的な、普遍的な曲になった。
普遍的というのはむしろ好意的な意味で、あからさまな歌詞だとここぞという時にしか歌えなくなってしまう。
メッセージ性を押し出すことも出来たであろうに、敢えて普遍的な歌詞に昇華させ、バラードすぎない曲調にすることで、どんな場面にも(アウェイの現場から大箱ワンマンまで)馴染んで歌える曲になった。だってずっと近くにいたいじゃん。
配信限定の春ツアー千秋楽「なないろ」は生半可な気持ちじゃ聴けなくて今のところ結局一回しか聴けてない。重みが。
歌詞の中の「キミ」が、「会いたくて会いたくて君の名前呼んだよ」のところだけ「君」になっていて、まだ合点のいく解釈に出会えていないんだけど池ちゃんなりのこだわりがありそうな気がする。

歴史のおじちゃん、すごいおじちゃんだ


08「君のままで」

カルピス。ポカリスエットシーブリーズ。あまりにも青春。
出典は失念したけれど「安本が安本のままでいられないエビ中ならエビ中じゃない(大意)」と大人に言わしめる出席番号5番、安本彩花さんのフューチャー曲。ほかのメンバーのフューチャー曲より、サビをソロで歌う比重が高い。なおさら泣ける。
「なないろ」で歌った「止まらない気持ち」が「君のままで」で爆発している。
自分はストレートに熱い歌詞はかえって白々しく受け取りがちなんだけど(心が歪んでいる)、エビ中さんが、しかも安本さんが歌うとなると感情移入してしまって仕方がない。(モンペ)
『エビクラシー』全編通じて、安本さんの歌声の使い分けが楽しい。ボーカロイドと呼ばれていた時代のことを思い出すと泣くしかない。
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たゆまぬ努力の先にあったこの可愛さ。この輝き。本当に良い写真。

 

 

泣き曲ばっかりだった。続きます。

『エビクラシー』全曲レビュー(2)感情電車/紅の詩/コミックガール

軽い気持ちで始めた全曲レビュー書くの楽しくて本業がおろそかになりがち。続きです。

 

03「感情電車」

出席番号11番、小林歌穂さんのフューチャー曲にして「リンガーハット」冷やしちゃんぽんキャペーン曲。

東京ではCMが結構オンエアしていたらしいけれど地方のおたくにはネット以外で確認する術はなかった。

『エビクラシー』発売前に公開されたPV。みんなで箱根にお泊り。悲しいさようならに襲われたエビ中ちゃんたちに、いつもの楽しい毎日が戻ってきたのが本当に嬉しい。

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どこをスクショしても全部かわいい奇跡のPV。

(サマンサモスモスな小林さんとスナイデルな星名さんがキャッキャしてることこそが、エビ中の平和な世界を構成する要素のひとつと信じています)

たむらぱん女史提供曲の最新作。最初のフレーズが「好きだからこそ聞けない儚い未来のありか」。歌詞の一言一言が文学。これに「自分の歌い方を見つけた」という小林さんのあったかい歌声。聴くホッカイロ。11月の秋田で聴きたい。日本に生まれて良かった。
具体的にこういうメッセージの歌詞ですっていう説明が出来ないんだけど(応援ソングです。失恋ソングです。みたいな)、良い気持ちも暗い気持ちもまるっと全部肯定してくれるような、ずっとそばに居てくれるような、そっと前に進ませてくれるけれど足踏みしちゃっても許してくれるような、包容力に満ちていて、母なる大地の懐にって感じだ。優しい。年末のアイドル楽曲大賞が楽しみ。

 

 04「紅の詩」

「ハイタテキ!」のTAKUYAさん提供曲で、出席番号10番、柏木ひなたさんのフューチャー曲。アイドル曲がロックに走るのってどうにも安易な気がしてまァそんなもんやろなって気分になりがちなんだけど(私見です)、「紅の詩」はあまりそういう印象は無い。ほどよく入ってくるホーンの力かもしれない。
ソロver.の柏木さんがとにかく超爽快。柏木さんみたいに歌えたらさぞ気持ち良いだろうな〜。けれど突発性難聴が完治していないらしいことを思うと、自分なんかのあずかり知らぬところで想像もつかないような努力を積んでいるんだろうと、もう申し上げることがない。

歌詞の内容としては、深夜に意を決して好きな人にラインしたのに既読ついたっきり返事がこない!どうしてすぐに返事をくれない!くらいの些細なことだと思うんだけど、「メビウスを巡る駆け引き」「ヒュプロスのハグもスルーして」と壮大な歌詞。
たかが中学生の恋愛、されど中学生の恋愛。本人にとっては世界が変わるレベル、神話作れちゃうレベルの大事件。主演女優は自分。ということを考えると「紅の詩」はやっぱり私立恵比寿中学の曲だな。

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円になって指をさす振りが好き。


05「コミックガール」

出席番号6番・廣田あいかさんのフューチャー曲。サイケデリックなお洋服を愛する廣田さんにぴったりの曲だとアルバムの曲目発表の時点でかなり期待していた。タイトルからはピコピコ電波ソングを想像していたけれど案外そうでもなかった曲。
「漫画あるある」の歌詞かと思いきや地味にストーリーが繋がってることに何回も聴いてから気づいた。被せで入るセリフが可愛くて、だんだん声量大きくなっちゃう「しっ、しっ、しーっ!」が愛しい。

春ツアー札幌公演ではアンコール1曲目に廣田さんソロver.を披露。アニメ声で歌ってみたりコブシをきかせてみたり、ソロver.音源ママの歌声でステージを大きく使ってコロコロ動く。ライブにおいて音源を再現することが善とは思わないけれど、この曲に関してはちょっと違う。廣田さん1人しか歌っていないはずなのに登場人物が何人もいる。リアル異時同図法アイドル。廣田さんの魅力全部詰め込んで圧縮袋に入れたものに針を刺して爆発させたよみたいなステージだった。ラッキー役をかってでた真山さんも可愛かった。
ぁぃぁぃが生誕ソロコンを迎える前に転校することを思えば、あのソロステージを見れたのはかなり貴重な機会だった。

法被にブリーフのお兄さんたち(四星球)の提供曲。やっぱコミックバンドだなー。

 

 

続きます。

 

『エビクラシー』全曲レビュー(1)デザインetc/ゑびすとてたまわんせむ/制服“報連相”ファンク

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私立恵比寿中学エビ中)4thアルバム『エビクラシー』オリコン週間1位本当におめでとう泣
リリースは2017年5月31日ということで、いつのまにか5ヶ月間聴き込んでいたことになる。ここまで聴きこむの史上最高だしアルバムリリース(しかも1年ごとにリリース)の都度最高を更新してくれるエビ中さんって何者なんだ!一曲ずつ所見をねっちり書いてみたいと思わんせむ。
1公演だけ見ることができた2017年春ツアー(「今、君とここにいる。」@札幌)の記憶と混ぜこぜです。

 

00(コンセプト、衣装、デザイン等)

最初から曲の話じゃないです。
近代ジャポネのモダンちっく界隈大好きマンとしては最高のコンセプトでした。
雑誌『QJ No.131 私立恵比寿中学』の「デザインこぼれ話(益本タカオ氏)」、「ジャケット衣装こぼれ話(里山拓斗氏)」は必見。

クイック・ジャパン131

クイック・ジャパン131

 

 益本氏いわく、アートワークの「ーシラクビヱ」の文字は大正時代創業の活字屋さんの協力のもと作られたというこだわりっぷり。
蛍光ピンクと大正モダンオマージュが混じり合っていてこれがエビ中なりのデモクラシー。

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歌詞カードの中までは語られていなかったけれど、タイトルも活字ちっくという細やかさ。(流石にこれは既成のフォント使ったと思う)
Oradano明朝体を使えばーシラクビヱごっこができるよ!

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この歌詞カードのデザインが何かしらのアーティストのオマージュという話を聞いたのに、詳細を失念してしまった。

 

衣装はツアー含めて2(3?)種類。

 

膝下セーラー

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溢れる大正感。膝下といいつつ足首丈。Mステ出演もこの衣装で、「なないろ」の振りが激しくないとはいえ踊りにくそうだな~とは思ったけど、りななんがこの衣装を着てエビクラシーアー写の撮影に参加していることを思えば、勝手ながら納得してしまう。
氣志團万博の定番スケバン衣装もこれだったのは笑った。太ストラップの黒い良い子ちゃんな靴が私立感を高める。

 

ケープ付き変形セーラー

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ケープ(好き)!ふわふわスカート(好き)!お袖止め(好き)!フリル白ソックス(好き)!
ともすればこどもっぽくなりそうな要素が多いのにそんな印象を受けないのは何故だろう…デザインの妙とモデルの良さだな…
ケープが結構大きくて、ヘドバン的に上半身を揺らす振りがあるとケープが頭に被っちゃって、そうすると赤い布(裏地)をぽふっと巻いているように見えて、これは完全に赤ずきんちゃんだった。とてたま。

 

バラ柄衣装

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変形セーラーの中に着込んでいらっしゃる。ふわふわスカートの裾は後ろが長いデザインで、アイドルの衣装としては珍しいしどうなんだろ~と思いきや、違和感が無い。
足の細さが際立つから、やはりアイドルこそ着るべきデザインなのかもしれない。
赤×黒はなんとなく小林かいちを思い出す。

 

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(アイドルの衣装としては珍しいしどうなんだろう部門には、先日公開された「ココナッツサブレ」キャンペーン衣装のワイドパンツも含まれます。セーラー+ワイドパンツの王道マリンルックにまさかの長手袋、そして色味はブラウン系という個性の闘いの結果最高のバランスが爆誕。)


CDを手にとってひとしきりワクワクしたところで曲にいきたいと思います。

 

01「ゑびすとてたまわんせむ」

レコードに針を落とす音、遠くから聴こえてくるようなスネアドラムの小気味よいリズムと歌声、ホイッスルで幕が開いて凛としたエビ中ちゃん登場…そう、ここは大正…(泣)

この1分02秒の、グッと引き込む力がすごい。歌詞があるわけじゃなくてエビ中ちゃんの歌はランランラララララン♪。言葉はないのにエビクラシーの世界にぐっと引き込まれる。めっちゃワクワクする。何度つられて行進しそうになったか分からない。

何が言いたいかというと、こんなにすごい曲の提供があるというエビ中ちゃんがすごいということ(泣)おたくの涙腺はガバガバ。

もう語り尽くされていると思うけれど、ツアーがこの曲で幕が開いて、校旗を持ったエビ中ちゃんが登場する演出、本当に本当にかっこいい。大好き。

 

02「制服“報連相”ファンク」

「ゑびすとてたまわんせむ」が終わり間髪あけずにファンク。行進からのファンク。1音目の「デューン」からやみつき。

そしてエビ中は箱推しなのに、ぽーちゃんやりったんがセンターにいるフォーメーションだと、Luck To The Futureの子鹿みたいな二人が脳裏をよぎって、カホリコ~~~!!!頑張った!!!えらい!!!!(泣)って気持ちにしかならない。

出席番号12番、中山莉子さんのフューチャー曲。愛媛公演?のソロがとにかくやばかったという噂を聞いているので早くEVERYTHING POINT5で確認したい。

この曲があまりにも好きすぎて在日ファンクさんのMVを見てみたりCDを借りてみるなどの波及効果が。(?)

京都アンドレスポンスしてみたいな~こうやってエビ中つながりで好きなアーティストさん増えていくの本当に心が豊かになる。

川、なァ↑がれてるッ!になる安本さんも、川、流れてる。になる中山さんも好き。

 

 

続きます。

 

杏野なつさんを推す話と、活動を辞めたアイドルを語るということ

杏野なつさんを好きになった話

エビ中は基本箱推しなんだけども、知り始めた当初どうにも気になって仕方がなかったのが、「黙っていれば清純派」出席番号4番杏野なつさん。

人の顔と名前を一致させるのが壊滅的に苦手な自分にとって、実は最後に覚えたメンバー。だからこそ、どんな子なんだろう?という興味を持ったのかもしれない。

分かったことは

・読書家、勉強が得意

・ふざけるときは超ふざける

・でもちゃんと真面目

 

杏野さんはクラスの中心的存在というよりは、教室の隅でクールに本を読んでいるような、一部の仲良しメンバーとしか会話を交わさないような、そんな女の子に見えた。

けれど勇気を出して話しかけたら実は超喋る面白い子だった……そんな架空の中学生生活をふと空想してしまう、そんな女の子に見え始めた。

杏野さんが監督になってメンバーで即興の映画を作った、みたいな話があったと思うんだけど、そういう愉快な杏野さんエピソードがどうにも愛しすぎる。

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こういうところが好き。

 

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 溢れ出るお育ちの良さ。バーバリーのダッフルコート可愛い。

 

杏野なつさんをもっと好きになった話

2013年冬、瑞季さん・杏野さん・鈴木裕乃さんの転校発表

自分が出会う前のエビ中にメンバー変遷があったのは知っていたけれど、目の当たりにするだなんて思っていなかった。

しかも杏野さんは留学のため活動も一時休止。転校発表即俺の藤井即留学即武道館。Luck To The Future等、出られない公演もある。アイドルとして活動している杏野さんを観れるチャンスはあと片手で数えられる程度。

 

…この一件で杏野さんのことがもっと好きになる。

勉強も芸能活動も妥協したくない、そんな性格の杏野さんが導いた結論が留学に行ってアイドルを辞めること。

留学に行くことでエビ中の活動に及ぶリスク(レッスンに参加できない等)、さらにアイドルを辞めることのリスク(名前を広めてファンを付けるならやはりアイドルという職業は有利である等)を、賢い杏野さんが考えなかった訳がない。水面下で大人の事情なんかもあっただろう。

それでも「芸能人・杏野なつ」ではない一人の人間として後悔したくなくて、留学と転校を選んだ。めっちゃかっこいいじゃん。

ここで我が身を振り返ると、自分のいた学校では国内の他校と半期の学生交換があり、これは別の地方に住んで学べるチャンスだった。しかし何だかんだと理由を付けまくって結局申し込みすら諦めてしまった。国内なのに。たった半期なのに。

こんな小さなことでウジウジしていた自分にとって、高校生(当時)にしてやりたいこと全部やり遂げる!!の精神バリバリ発揮する杏野なつさん、本当にかっこいい。

 

活動を辞めたアイドルを語るということ

杏野さんの俺の藤井2014での活躍、LTTF幕張公演に寄せられた可愛すぎるビデオレター、武道館での合同出発式での頼もしいスピーチは自分の指先から語る間でもありません。俺の藤井2014のためにスターダストチャンネル入ってる。

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ホームステイ先のお部屋で自撮りし、幕張に集まったおたくの歓声に耳を傾けてくれた最高の図。照れ笑いが可愛い。LTTF幕張は映像化されていないけれど、今でもあの熱気をしかと思い出せる。

 

合同出発式を終えた後、ファンにとっては寂しいけれど、杏野さんは芸能活動を実質休止している。転校後の活動は握手会と、エヴリシングポイント上映のティーチインくらい?

でも頑張り屋さんの杏野さんは、我々には見えない何処かで今日も絶対に頑張ってる。気持ちの大小はあれ、4推しは心の中でそう思っているはず。

 

…と、ここまで書いて命題。(特定の発言等に触発された訳ではありません。モンペ気質おたくの潜在的な私見です)

活動を辞めたアイドルを、どう語るべきか?

Twitterを覗けば、誰々がアイドルを辞めてもう何年だ、会いたいな、だなんて呟きが、懐かしい画像付きでたくさん出てくる。多少は慣れてしまったとはいえ、アイドルを辞めた若者は、辞めてからもアイドルであった過去を掘り起こされる。言葉は乱暴だが、こういった発言にどうもモヤモヤしてしまう。

杏野さんのように事務所との契約は切っていない(≒表舞台に立ち続ける気持ちはある)場合は微妙な線ながらも、アイドルが辞める辞めたという話を聞くたびに何となく考えを巡らせてしまう。

 

ネットが十分に普及した今日において、かつてアイドルであった人々の記憶を振り返って発信するのは簡単なこと。

でも、アイドルがアイドルでいることを辞めた理由が、実はネガティブで繊細なものだったとしたら?

やっとアイドルを辞められた、心機一転!と内心思っていた矢先に、アイドルである自分にまた会いたいと願うファンの声を聞いてしまったら?

辞めても思い出してもらえるなんて嬉しい、と思う人もいれば、もうそっとしておいてほしいと願う人もいるかもしれない。これは辞めた理由にも個人の性格にもよるだろうし、アイドルの本心なんておたくは知る由もない。

そもそもこのご時世にアイドルとして人の前に立つことを選んだ時点で、自分の写真がフリー素材化すること、過去の自分がリバイバルされることは、暗黙の了解の範疇かもしれない。保護者だってそれを覚悟の上で大事な子どもをメディアに載せているんだろう。けれどこれって、恐ろしいことだ。仮に嫌な思いをしたとしても、事務所を辞めていたなら大人が守ってくれることも無い。

 

アイドルでいることを辞めた人(大抵は前途洋々たる若者)の出鼻を挫くようなことはしたくない。かと言って誰々が懐かしい、今でも好きだという気持ちの発露は、自由な呟きの場において、わざわざ抑えるべきものでもない。

辞めたアイドルとファンは、どう付き合っていけばいいのだろう。結局全然分からないな。