杏野なつさんを推す話と、活動を辞めたアイドルを語るということ
杏野なつさんを好きになった話
エビ中は基本箱推しなんだけども、知り始めた当初どうにも気になって仕方がなかったのが、「黙っていれば清純派」出席番号4番の杏野なつさん。
人の顔と名前を一致させるのが壊滅的に苦手な自分にとって、実は最後に覚えたメンバー。だからこそ、どんな子なんだろう?という興味を持ったのかもしれない。
分かったことは
・読書家、勉強が得意
・ふざけるときは超ふざける
・でもちゃんと真面目
杏野さんはクラスの中心的存在というよりは、教室の隅でクールに本を読んでいるような、一部の仲良しメンバーとしか会話を交わさないような、そんな女の子に見えた。
けれど勇気を出して話しかけたら実は超喋る面白い子だった……そんな架空の中学生生活をふと空想してしまう、そんな女の子に見え始めた。
杏野さんが監督になってメンバーで即興の映画を作った、みたいな話があったと思うんだけど、そういう愉快な杏野さんエピソードがどうにも愛しすぎる。
こういうところが好き。
溢れ出るお育ちの良さ。バーバリーのダッフルコート可愛い。
杏野なつさんをもっと好きになった話
自分が出会う前のエビ中にメンバー変遷があったのは知っていたけれど、目の当たりにするだなんて思っていなかった。
しかも杏野さんは留学のため活動も一時休止。転校発表即俺の藤井即留学即武道館。Luck To The Future等、出られない公演もある。アイドルとして活動している杏野さんを観れるチャンスはあと片手で数えられる程度。
…この一件で杏野さんのことがもっと好きになる。
勉強も芸能活動も妥協したくない、そんな性格の杏野さんが導いた結論が留学に行ってアイドルを辞めること。
留学に行くことでエビ中の活動に及ぶリスク(レッスンに参加できない等)、さらにアイドルを辞めることのリスク(名前を広めてファンを付けるならやはりアイドルという職業は有利である等)を、賢い杏野さんが考えなかった訳がない。水面下で大人の事情なんかもあっただろう。
それでも「芸能人・杏野なつ」ではない一人の人間として後悔したくなくて、留学と転校を選んだ。めっちゃかっこいいじゃん。
ここで我が身を振り返ると、自分のいた学校では国内の他校と半期の学生交換があり、これは別の地方に住んで学べるチャンスだった。しかし何だかんだと理由を付けまくって結局申し込みすら諦めてしまった。国内なのに。たった半期なのに。
こんな小さなことでウジウジしていた自分にとって、高校生(当時)にしてやりたいこと全部やり遂げる!!の精神バリバリ発揮する杏野なつさん、本当にかっこいい。
活動を辞めたアイドルを語るということ
杏野さんの俺の藤井2014での活躍、LTTF幕張公演に寄せられた可愛すぎるビデオレター、武道館での合同出発式での頼もしいスピーチは自分の指先から語る間でもありません。俺の藤井2014のためにスターダストチャンネル入ってる。
ホームステイ先のお部屋で自撮りし、幕張に集まったおたくの歓声に耳を傾けてくれた最高の図。照れ笑いが可愛い。LTTF幕張は映像化されていないけれど、今でもあの熱気をしかと思い出せる。
合同出発式を終えた後、ファンにとっては寂しいけれど、杏野さんは芸能活動を実質休止している。転校後の活動は握手会と、エヴリシングポイント上映のティーチインくらい?
でも頑張り屋さんの杏野さんは、我々には見えない何処かで今日も絶対に頑張ってる。気持ちの大小はあれ、4推しは心の中でそう思っているはず。
…と、ここまで書いて命題。(特定の発言等に触発された訳ではありません。モンペ気質おたくの潜在的な私見です)
活動を辞めたアイドルを、どう語るべきか?
Twitterを覗けば、誰々がアイドルを辞めてもう何年だ、会いたいな、だなんて呟きが、懐かしい画像付きでたくさん出てくる。多少は慣れてしまったとはいえ、アイドルを辞めた若者は、辞めてからもアイドルであった過去を掘り起こされる。言葉は乱暴だが、こういった発言にどうもモヤモヤしてしまう。
杏野さんのように事務所との契約は切っていない(≒表舞台に立ち続ける気持ちはある)場合は微妙な線ながらも、アイドルが辞める辞めたという話を聞くたびに何となく考えを巡らせてしまう。
ネットが十分に普及した今日において、かつてアイドルであった人々の記憶を振り返って発信するのは簡単なこと。
でも、アイドルがアイドルでいることを辞めた理由が、実はネガティブで繊細なものだったとしたら?
やっとアイドルを辞められた、心機一転!と内心思っていた矢先に、アイドルである自分にまた会いたいと願うファンの声を聞いてしまったら?
辞めても思い出してもらえるなんて嬉しい、と思う人もいれば、もうそっとしておいてほしいと願う人もいるかもしれない。これは辞めた理由にも個人の性格にもよるだろうし、アイドルの本心なんておたくは知る由もない。
そもそもこのご時世にアイドルとして人の前に立つことを選んだ時点で、自分の写真がフリー素材化すること、過去の自分がリバイバルされることは、暗黙の了解の範疇かもしれない。保護者だってそれを覚悟の上で大事な子どもをメディアに載せているんだろう。けれどこれって、恐ろしいことだ。仮に嫌な思いをしたとしても、事務所を辞めていたなら大人が守ってくれることも無い。
アイドルでいることを辞めた人(大抵は前途洋々たる若者)の出鼻を挫くようなことはしたくない。かと言って誰々が懐かしい、今でも好きだという気持ちの発露は、自由な呟きの場において、わざわざ抑えるべきものでもない。
辞めたアイドルとファンは、どう付き合っていけばいいのだろう。結局全然分からないな。