三日座禅

まさか自分がアイドルにはまる日が来るだなんて、思ってもみなかったんです。Twitter @papapakuchi_

『エビクラシー』全曲レビュー(3)さよならばいばいまたあした/なないろ/君のままで

(年明けの大学芸会のFC当落ありましたね。どちらの公演もエビ中史に残ると思います。行ける方はどうか楽しんで)

 

続きです。

 

06「さよならばいばいまたあした」

オシャレシティポップ。Yogee New Wavesさんのことはこの曲まで寡聞にして存じ上げず、むしろちゃんと認識したのは大森靖子さんとバタバチしてたらしいとき。この曲も確かに音楽は魔法だよ的な言葉遣いの歌詞ではある。
「私たちの未来はきっと明るくて素晴らしい」の説得力。柏木さんがおっしゃるなら間違いない。
そして「お買い物をするよりもっとあなたと寄り道したい」って言っちゃう中学生めっちゃ可愛くない?小学生の時には許されなかったであろう放課後の買い物なんかより、あなたと寄り道したい…泣
友達に「またあした」って言える期間って大抵のひとの場合は学生の時しかない。大人になったら毎日なんて会えない。永遠に中学生だからずっと「またあした」でいいはずなんだけれども、それが叶わなくなることもあると知ってしまった。「またあした」の得難さ。

 

07「なないろ」

タイトル書いて気づいたけど収録順7曲目なんだな。


ころころ色が変わる衣装かわいい。
7人になったエビ中ちゃんの思いにファミリーの思いも乗せて、ふんわり包んでぱっと見切ない恋愛ソング的な、普遍的な曲になった。
普遍的というのはむしろ好意的な意味で、あからさまな歌詞だとここぞという時にしか歌えなくなってしまう。
メッセージ性を押し出すことも出来たであろうに、敢えて普遍的な歌詞に昇華させ、バラードすぎない曲調にすることで、どんな場面にも(アウェイの現場から大箱ワンマンまで)馴染んで歌える曲になった。だってずっと近くにいたいじゃん。
配信限定の春ツアー千秋楽「なないろ」は生半可な気持ちじゃ聴けなくて今のところ結局一回しか聴けてない。重みが。
歌詞の中の「キミ」が、「会いたくて会いたくて君の名前呼んだよ」のところだけ「君」になっていて、まだ合点のいく解釈に出会えていないんだけど池ちゃんなりのこだわりがありそうな気がする。

歴史のおじちゃん、すごいおじちゃんだ


08「君のままで」

カルピス。ポカリスエットシーブリーズ。あまりにも青春。
出典は失念したけれど「安本が安本のままでいられないエビ中ならエビ中じゃない(大意)」と大人に言わしめる出席番号5番、安本彩花さんのフューチャー曲。ほかのメンバーのフューチャー曲より、サビをソロで歌う比重が高い。なおさら泣ける。
「なないろ」で歌った「止まらない気持ち」が「君のままで」で爆発している。
自分はストレートに熱い歌詞はかえって白々しく受け取りがちなんだけど(心が歪んでいる)、エビ中さんが、しかも安本さんが歌うとなると感情移入してしまって仕方がない。(モンペ)
『エビクラシー』全編通じて、安本さんの歌声の使い分けが楽しい。ボーカロイドと呼ばれていた時代のことを思い出すと泣くしかない。
f:id:bngu:20171020075823j:image
たゆまぬ努力の先にあったこの可愛さ。この輝き。本当に良い写真。

 

 

泣き曲ばっかりだった。続きます。

『エビクラシー』全曲レビュー(2)感情電車/紅の詩/コミックガール

軽い気持ちで始めた全曲レビュー書くの楽しくて本業がおろそかになりがち。続きです。

 

03「感情電車」

出席番号11番、小林歌穂さんのフューチャー曲にして「リンガーハット」冷やしちゃんぽんキャペーン曲。

東京ではCMが結構オンエアしていたらしいけれど地方のおたくにはネット以外で確認する術はなかった。

『エビクラシー』発売前に公開されたPV。みんなで箱根にお泊り。悲しいさようならに襲われたエビ中ちゃんたちに、いつもの楽しい毎日が戻ってきたのが本当に嬉しい。

f:id:bngu:20171015183154p:imagef:id:bngu:20171015183159p:image

f:id:bngu:20171015183205p:image 

どこをスクショしても全部かわいい奇跡のPV。

(サマンサモスモスな小林さんとスナイデルな星名さんがキャッキャしてることこそが、エビ中の平和な世界を構成する要素のひとつと信じています)

たむらぱん女史提供曲の最新作。最初のフレーズが「好きだからこそ聞けない儚い未来のありか」。歌詞の一言一言が文学。これに「自分の歌い方を見つけた」という小林さんのあったかい歌声。聴くホッカイロ。11月の秋田で聴きたい。日本に生まれて良かった。
具体的にこういうメッセージの歌詞ですっていう説明が出来ないんだけど(応援ソングです。失恋ソングです。みたいな)、良い気持ちも暗い気持ちもまるっと全部肯定してくれるような、ずっとそばに居てくれるような、そっと前に進ませてくれるけれど足踏みしちゃっても許してくれるような、包容力に満ちていて、母なる大地の懐にって感じだ。優しい。年末のアイドル楽曲大賞が楽しみ。

 

 04「紅の詩」

「ハイタテキ!」のTAKUYAさん提供曲で、出席番号10番、柏木ひなたさんのフューチャー曲。アイドル曲がロックに走るのってどうにも安易な気がしてまァそんなもんやろなって気分になりがちなんだけど(私見です)、「紅の詩」はあまりそういう印象は無い。ほどよく入ってくるホーンの力かもしれない。
ソロver.の柏木さんがとにかく超爽快。柏木さんみたいに歌えたらさぞ気持ち良いだろうな〜。けれど突発性難聴が完治していないらしいことを思うと、自分なんかのあずかり知らぬところで想像もつかないような努力を積んでいるんだろうと、もう申し上げることがない。

歌詞の内容としては、深夜に意を決して好きな人にラインしたのに既読ついたっきり返事がこない!どうしてすぐに返事をくれない!くらいの些細なことだと思うんだけど、「メビウスを巡る駆け引き」「ヒュプロスのハグもスルーして」と壮大な歌詞。
たかが中学生の恋愛、されど中学生の恋愛。本人にとっては世界が変わるレベル、神話作れちゃうレベルの大事件。主演女優は自分。ということを考えると「紅の詩」はやっぱり私立恵比寿中学の曲だな。

f:id:bngu:20171015182942j:image

円になって指をさす振りが好き。


05「コミックガール」

出席番号6番・廣田あいかさんのフューチャー曲。サイケデリックなお洋服を愛する廣田さんにぴったりの曲だとアルバムの曲目発表の時点でかなり期待していた。タイトルからはピコピコ電波ソングを想像していたけれど案外そうでもなかった曲。
「漫画あるある」の歌詞かと思いきや地味にストーリーが繋がってることに何回も聴いてから気づいた。被せで入るセリフが可愛くて、だんだん声量大きくなっちゃう「しっ、しっ、しーっ!」が愛しい。

春ツアー札幌公演ではアンコール1曲目に廣田さんソロver.を披露。アニメ声で歌ってみたりコブシをきかせてみたり、ソロver.音源ママの歌声でステージを大きく使ってコロコロ動く。ライブにおいて音源を再現することが善とは思わないけれど、この曲に関してはちょっと違う。廣田さん1人しか歌っていないはずなのに登場人物が何人もいる。リアル異時同図法アイドル。廣田さんの魅力全部詰め込んで圧縮袋に入れたものに針を刺して爆発させたよみたいなステージだった。ラッキー役をかってでた真山さんも可愛かった。
ぁぃぁぃが生誕ソロコンを迎える前に転校することを思えば、あのソロステージを見れたのはかなり貴重な機会だった。

法被にブリーフのお兄さんたち(四星球)の提供曲。やっぱコミックバンドだなー。

 

 

続きます。

 

『エビクラシー』全曲レビュー(1)デザインetc/ゑびすとてたまわんせむ/制服“報連相”ファンク

 f:id:bngu:20171014220154j:image

私立恵比寿中学エビ中)4thアルバム『エビクラシー』オリコン週間1位本当におめでとう泣
リリースは2017年5月31日ということで、いつのまにか5ヶ月間聴き込んでいたことになる。ここまで聴きこむの史上最高だしアルバムリリース(しかも1年ごとにリリース)の都度最高を更新してくれるエビ中さんって何者なんだ!一曲ずつ所見をねっちり書いてみたいと思わんせむ。
1公演だけ見ることができた2017年春ツアー(「今、君とここにいる。」@札幌)の記憶と混ぜこぜです。

 

00(コンセプト、衣装、デザイン等)

最初から曲の話じゃないです。
近代ジャポネのモダンちっく界隈大好きマンとしては最高のコンセプトでした。
雑誌『QJ No.131 私立恵比寿中学』の「デザインこぼれ話(益本タカオ氏)」、「ジャケット衣装こぼれ話(里山拓斗氏)」は必見。

クイック・ジャパン131

クイック・ジャパン131

 

 益本氏いわく、アートワークの「ーシラクビヱ」の文字は大正時代創業の活字屋さんの協力のもと作られたというこだわりっぷり。
蛍光ピンクと大正モダンオマージュが混じり合っていてこれがエビ中なりのデモクラシー。

f:id:bngu:20171014220332j:image

歌詞カードの中までは語られていなかったけれど、タイトルも活字ちっくという細やかさ。(流石にこれは既成のフォント使ったと思う)
Oradano明朝体を使えばーシラクビヱごっこができるよ!

f:id:bngu:20171014222648j:image
この歌詞カードのデザインが何かしらのアーティストのオマージュという話を聞いたのに、詳細を失念してしまった。

 

衣装はツアー含めて2(3?)種類。

 

膝下セーラー

f:id:bngu:20171014221020j:image

溢れる大正感。膝下といいつつ足首丈。Mステ出演もこの衣装で、「なないろ」の振りが激しくないとはいえ踊りにくそうだな~とは思ったけど、りななんがこの衣装を着てエビクラシーアー写の撮影に参加していることを思えば、勝手ながら納得してしまう。
氣志團万博の定番スケバン衣装もこれだったのは笑った。太ストラップの黒い良い子ちゃんな靴が私立感を高める。

 

ケープ付き変形セーラー

f:id:bngu:20171014221537j:image

f:id:bngu:20171014221559j:image
ケープ(好き)!ふわふわスカート(好き)!お袖止め(好き)!フリル白ソックス(好き)!
ともすればこどもっぽくなりそうな要素が多いのにそんな印象を受けないのは何故だろう…デザインの妙とモデルの良さだな…
ケープが結構大きくて、ヘドバン的に上半身を揺らす振りがあるとケープが頭に被っちゃって、そうすると赤い布(裏地)をぽふっと巻いているように見えて、これは完全に赤ずきんちゃんだった。とてたま。

 

バラ柄衣装

f:id:bngu:20171014221504j:image

f:id:bngu:20171014221509j:image
変形セーラーの中に着込んでいらっしゃる。ふわふわスカートの裾は後ろが長いデザインで、アイドルの衣装としては珍しいしどうなんだろ~と思いきや、違和感が無い。
足の細さが際立つから、やはりアイドルこそ着るべきデザインなのかもしれない。
赤×黒はなんとなく小林かいちを思い出す。

 

f:id:bngu:20171014221617j:image
(アイドルの衣装としては珍しいしどうなんだろう部門には、先日公開された「ココナッツサブレ」キャンペーン衣装のワイドパンツも含まれます。セーラー+ワイドパンツの王道マリンルックにまさかの長手袋、そして色味はブラウン系という個性の闘いの結果最高のバランスが爆誕。)


CDを手にとってひとしきりワクワクしたところで曲にいきたいと思います。

 

01「ゑびすとてたまわんせむ」

レコードに針を落とす音、遠くから聴こえてくるようなスネアドラムの小気味よいリズムと歌声、ホイッスルで幕が開いて凛としたエビ中ちゃん登場…そう、ここは大正…(泣)

この1分02秒の、グッと引き込む力がすごい。歌詞があるわけじゃなくてエビ中ちゃんの歌はランランラララララン♪。言葉はないのにエビクラシーの世界にぐっと引き込まれる。めっちゃワクワクする。何度つられて行進しそうになったか分からない。

何が言いたいかというと、こんなにすごい曲の提供があるというエビ中ちゃんがすごいということ(泣)おたくの涙腺はガバガバ。

もう語り尽くされていると思うけれど、ツアーがこの曲で幕が開いて、校旗を持ったエビ中ちゃんが登場する演出、本当に本当にかっこいい。大好き。

 

02「制服“報連相”ファンク」

「ゑびすとてたまわんせむ」が終わり間髪あけずにファンク。行進からのファンク。1音目の「デューン」からやみつき。

そしてエビ中は箱推しなのに、ぽーちゃんやりったんがセンターにいるフォーメーションだと、Luck To The Futureの子鹿みたいな二人が脳裏をよぎって、カホリコ~~~!!!頑張った!!!えらい!!!!(泣)って気持ちにしかならない。

出席番号12番、中山莉子さんのフューチャー曲。愛媛公演?のソロがとにかくやばかったという噂を聞いているので早くEVERYTHING POINT5で確認したい。

この曲があまりにも好きすぎて在日ファンクさんのMVを見てみたりCDを借りてみるなどの波及効果が。(?)

京都アンドレスポンスしてみたいな~こうやってエビ中つながりで好きなアーティストさん増えていくの本当に心が豊かになる。

川、なァ↑がれてるッ!になる安本さんも、川、流れてる。になる中山さんも好き。

 

 

続きます。

 

杏野なつさんを推す話と、活動を辞めたアイドルを語るということ

杏野なつさんを好きになった話

エビ中は基本箱推しなんだけども、知り始めた当初どうにも気になって仕方がなかったのが、「黙っていれば清純派」出席番号4番杏野なつさん。

人の顔と名前を一致させるのが壊滅的に苦手な自分にとって、実は最後に覚えたメンバー。だからこそ、どんな子なんだろう?という興味を持ったのかもしれない。

分かったことは

・読書家、勉強が得意

・ふざけるときは超ふざける

・でもちゃんと真面目

 

杏野さんはクラスの中心的存在というよりは、教室の隅でクールに本を読んでいるような、一部の仲良しメンバーとしか会話を交わさないような、そんな女の子に見えた。

けれど勇気を出して話しかけたら実は超喋る面白い子だった……そんな架空の中学生生活をふと空想してしまう、そんな女の子に見え始めた。

杏野さんが監督になってメンバーで即興の映画を作った、みたいな話があったと思うんだけど、そういう愉快な杏野さんエピソードがどうにも愛しすぎる。

f:id:bngu:20171011010042j:image

こういうところが好き。

 

 f:id:bngu:20171011010049j:image

 溢れ出るお育ちの良さ。バーバリーのダッフルコート可愛い。

 

杏野なつさんをもっと好きになった話

2013年冬、瑞季さん・杏野さん・鈴木裕乃さんの転校発表

自分が出会う前のエビ中にメンバー変遷があったのは知っていたけれど、目の当たりにするだなんて思っていなかった。

しかも杏野さんは留学のため活動も一時休止。転校発表即俺の藤井即留学即武道館。Luck To The Future等、出られない公演もある。アイドルとして活動している杏野さんを観れるチャンスはあと片手で数えられる程度。

 

…この一件で杏野さんのことがもっと好きになる。

勉強も芸能活動も妥協したくない、そんな性格の杏野さんが導いた結論が留学に行ってアイドルを辞めること。

留学に行くことでエビ中の活動に及ぶリスク(レッスンに参加できない等)、さらにアイドルを辞めることのリスク(名前を広めてファンを付けるならやはりアイドルという職業は有利である等)を、賢い杏野さんが考えなかった訳がない。水面下で大人の事情なんかもあっただろう。

それでも「芸能人・杏野なつ」ではない一人の人間として後悔したくなくて、留学と転校を選んだ。めっちゃかっこいいじゃん。

ここで我が身を振り返ると、自分のいた学校では国内の他校と半期の学生交換があり、これは別の地方に住んで学べるチャンスだった。しかし何だかんだと理由を付けまくって結局申し込みすら諦めてしまった。国内なのに。たった半期なのに。

こんな小さなことでウジウジしていた自分にとって、高校生(当時)にしてやりたいこと全部やり遂げる!!の精神バリバリ発揮する杏野なつさん、本当にかっこいい。

 

活動を辞めたアイドルを語るということ

杏野さんの俺の藤井2014での活躍、LTTF幕張公演に寄せられた可愛すぎるビデオレター、武道館での合同出発式での頼もしいスピーチは自分の指先から語る間でもありません。俺の藤井2014のためにスターダストチャンネル入ってる。

f:id:bngu:20171011010153j:image

ホームステイ先のお部屋で自撮りし、幕張に集まったおたくの歓声に耳を傾けてくれた最高の図。照れ笑いが可愛い。LTTF幕張は映像化されていないけれど、今でもあの熱気をしかと思い出せる。

 

合同出発式を終えた後、ファンにとっては寂しいけれど、杏野さんは芸能活動を実質休止している。転校後の活動は握手会と、エヴリシングポイント上映のティーチインくらい?

でも頑張り屋さんの杏野さんは、我々には見えない何処かで今日も絶対に頑張ってる。気持ちの大小はあれ、4推しは心の中でそう思っているはず。

 

…と、ここまで書いて命題。(特定の発言等に触発された訳ではありません。モンペ気質おたくの潜在的な私見です)

活動を辞めたアイドルを、どう語るべきか?

Twitterを覗けば、誰々がアイドルを辞めてもう何年だ、会いたいな、だなんて呟きが、懐かしい画像付きでたくさん出てくる。多少は慣れてしまったとはいえ、アイドルを辞めた若者は、辞めてからもアイドルであった過去を掘り起こされる。言葉は乱暴だが、こういった発言にどうもモヤモヤしてしまう。

杏野さんのように事務所との契約は切っていない(≒表舞台に立ち続ける気持ちはある)場合は微妙な線ながらも、アイドルが辞める辞めたという話を聞くたびに何となく考えを巡らせてしまう。

 

ネットが十分に普及した今日において、かつてアイドルであった人々の記憶を振り返って発信するのは簡単なこと。

でも、アイドルがアイドルでいることを辞めた理由が、実はネガティブで繊細なものだったとしたら?

やっとアイドルを辞められた、心機一転!と内心思っていた矢先に、アイドルである自分にまた会いたいと願うファンの声を聞いてしまったら?

辞めても思い出してもらえるなんて嬉しい、と思う人もいれば、もうそっとしておいてほしいと願う人もいるかもしれない。これは辞めた理由にも個人の性格にもよるだろうし、アイドルの本心なんておたくは知る由もない。

そもそもこのご時世にアイドルとして人の前に立つことを選んだ時点で、自分の写真がフリー素材化すること、過去の自分がリバイバルされることは、暗黙の了解の範疇かもしれない。保護者だってそれを覚悟の上で大事な子どもをメディアに載せているんだろう。けれどこれって、恐ろしいことだ。仮に嫌な思いをしたとしても、事務所を辞めていたなら大人が守ってくれることも無い。

 

アイドルでいることを辞めた人(大抵は前途洋々たる若者)の出鼻を挫くようなことはしたくない。かと言って誰々が懐かしい、今でも好きだという気持ちの発露は、自由な呟きの場において、わざわざ抑えるべきものでもない。

辞めたアイドルとファンは、どう付き合っていけばいいのだろう。結局全然分からないな。

 

エビ中を好きになったときの話

前章・アイドルへの壁を取り払ってくれたももクロちゃんの話

前エントリーの通りアイドルなんて有り得ないと思っていた最中、2011年、仲間内でももクロが流行。

「とりあえず可愛い」「かなこぉ↑↑」しか言わない周りに乗せられてPVを見るようになる。

初めて見たときのインパクトは忘れない。「この子たちは、これを可愛いと思ってやってるの……???」(失礼)

しかし色々見ていくうちにどんどん可愛くなってくる。すごい。ココ☆ナツの衣装天才かよ。オレンジノートのライブ映像エモすぎかよ。てかあーりん可愛いかよ。ライブDVDも借りて見た。ちっちゃい女の子の集団が踊ったりリコーダー吹いたりしてた。

そんなこんなで、アイドルを毛嫌いする邪悪な心は1,2年かけてじわじわと取り払われ、可愛いものを清く美しく愛でる心が養われた。ありがとうももクロちゃん。最近?の曲だとイマジネーションが好きです。

 

フォントからエビ中を好きになった話

2013年春頃、友人が私立恵比寿中学が気になる」と言う。どうやらももクロのライブで踊ったりリコーダーを吹いたりしていた女の子たちのことであるらしい。

よく分からないながらも初めて見たPVが、今でも大好きな「梅」

 

 

このフォント!!!!好き!!!!!

f:id:bngu:20171010012023p:image

 

しかもこの可愛いフォントを衣装にしちゃう??最高か??多すぎてメンバーの顔はよく分からないけれど、全体的にデザインがとりあえず好き……

 

さらに出会ったのが「Go!Go!He We Go! ロック・リー

 

 

このフォントも…好き…(泣)

f:id:bngu:20171010012906p:image

 

メンバーの可愛さに気づくよりも先に、フォントならびにデザインの可愛さにまず惹かれてエビ中に入りました。

 

現場に行く話

その後、ぁぃぁぃ(廣田あいかさんを入口とするモデルケースに沿って着実にエビ中(のメンバーと曲) を知り始め、3Bjuniorで出していたムックのお渡し会に行き、初めてパフォーマンスを見たのはとんでんツアーの最終公演@川崎。

エビ中、ツアーの締めくくりは乾杯で「お疲れちゃーん!」 - 音楽ナタリー

アイドルがパフォーマンスをしている様を生で見るのは初めて。リハーサルで歌って踊ってる姿を見ただけでなんと涙が出た。

 

世に聞く握手会を初めて経験したのもこの時。

 

誤字を除いて、我ながら良い話。そしてAnother Day衣装のかわいさ…

 

衣装が可愛い話と、アイドルが総合芸術だと気づいた話

そう、衣装。

東方プロジェクトにズブズブだった頃から、恥ずかしながらも自分はワナビーロリータだった。あくまでワナビー。顔面もお財布も、とりあえず全てが追い付かなくて、ロリータにはなれなかった。

しかしエビ中に出会ってから、可愛い服は可愛い子が着ればいいじゃんという、とびきり単純な結論に至る。

可愛い子がいる。可愛い子に歌や踊りを提供する人がいる。可愛い子をプロデュースして世に知らしめようとしている人がいる。デザインや衣装やヘアメイクなどで可愛い子の魅せ方を考える人、公演の演出を考える人、彼女たちを照らし、声をマイクに載せる人がいる……

 

アイドルって総合芸術じゃん。やっと気づいた。アイドルだけがアイドルなんじゃない。(?)

 そして平和な国じゃないとエンタメ業は成り立たない。

いつ命の危険にさらされるか分からない、そんな生活を強いられる場所に生まれていたら、アイドル文化、もといエンターテイメントで商売が成り立つ社会の恩恵を受けられるなんて、まず有り得なかっただろう。ありがとう日本。

 

 

 

それから約4年、行ける現場全てに行った訳でもないし、買えるもの全てを買った訳でもない。初めてできた推しメンは転校したっきりだし、悲しすぎる突然のさようならもあった。

あぁしておけばなぁ、というのはあるけれど、そんなこと言ってたらキリがないから、これからも自分史上最高の趣味の一つとしてエビ中ちゃんを追いかけていきたい所存。

 

はじめました

はじめました。ぶんごうと申します。

実生活で書かなくてはいけないあれこれからトリップするために、アイドルのことやアイドルのことなど書くつもりです。

 

思い起こせば自分のおたく生活は古典的大著『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズから始まり、ニコニコ動画に青春を費やし、東方プロジェクト並びに東方アレンジ曲にドハマり。

同人音楽ならではの突き抜けた自由っぷりから来る、可愛さ、かっこよさにいたく感動し、商業音楽を聴くことなんて、自分の人生において金輪際訪れない、ましてや自分で作詞作曲する訳でもなく歌わされて・踊らされているアイドルなんて絶対に聴かない……そう思っていました。

 

しかし気づいた時には私立恵比寿中学のファンクラブに入っていたんです。不思議です。

 

エビ中のこと、エビ中以外のスターダストアイドル、沼に片足突っ込んでいる男性アイドルのことなど、時事ネタに乏しいながらも書き溜めていこうと思います。何卒。